チェンバロの調整
1 タングスプリングの調整
2 Vicing a bird quill 鳥の羽の削り方
3 クラヴィコードのメンテナンス タンジェント傾きの調整
Christofori jackの様に、タングスプリングがスチール等の金属線の時はタングスプリングを調整して、連打等がスムースに行くようにすることができます。 この写真はタングスプリングがジャックボディーに接していない状態を示しています。 この状態だと、キーを押したときに鳴ったり、鳴らなかったりします。 この場合は次の様にこのスプリングを調整します。
このような状態は響板の変形により、ジャックと弦の距離が変わってしまったときに置きます。 つまり、ジャックのトップにあるねじを回したときに、ジャックの角度が変わり、ジャックスプリングの再調整が必要になります。 その対処方法を述べます。
写真のマイナスドライバー等を使って、タングスプリングの根本、つまりタングに近いところを押して、タングスプリングの先端がジャックに当たるようにします。 この時、タングを押さえておきます。
マイナスドライバーを離しても、スプリングがジャックに当たっていることを確認します。
一方、このスプリングが強いと、爪が弦に乗っかる、いわゆるハングの状態が起きることがあります。 この時はスプリングをマイナスドライバー等を用いて、少し起こします。 適度に起こすのは難しいので、少し起こしすぎた状態から、マイナスドライバー等で少しづつジャックに接するように調整するとうまく行きます。
鳥の羽を削り、プレくトラムとして使用するまでを写真で紹介しています。 最初の2つの写真は折れた爪(プレくトラム)を取り除くところを示しています。 折れた爪の先をつまんで後ろへ押し出し、後ろに出たところをペンチでつかんで後ろへ引っ張り出します。
なお、一枚目の写真のように、爪をペンチでつかんで後ろへ押し出す時に、タングが後ろに行くのを指で押さえておきます。
この写真にあるように、羽を削るときに極めてゆるい傾斜に削ることが必要です。 タングに押し込んだ時に、キュ、キュっと力を加えるごとにさらに少しだけ入るくらいが良いです。 この傾斜が大きいと止まったようでも、抜けてしまうことがあります。
また、タングに入れたり出したりしながら、上下左右で止まっていることを確認します。 特に上下がきつく止まっている必要があります。
重要; ゆるい傾斜に削る タングにキュキュっとフィット 上下で止まる
タンジェント傾きの調整
タンジェントが隣の弦に触ってしまう、あるいは、キーを強く抑えた時に弦が外れる事があります。 これは弦が斜めに張られているために、楽器が少しよじれるために起きます。
この場合、添付の真鍮パイプをタンジェントの根本までかぶせ、このパイプを前後に傾けて、タンジェントの傾きを調整します。